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行政の手続きに必要な書類は名前が難しい+微妙に似ているものが多くて混乱することがあります。
ちょっと例としては違うかもしれませんが「戸籍全部事項証明書」は、「戸籍謄本」が電子化されて以降の正式名称なのですが、以前の名称のほうが今も広く認知されていますし、「戸籍全部事項証明書」よりは「戸籍謄本」のほうが個人的にはわかりやすかったりします。世代かな?
色んな手続きの必要書類一覧には漢字のみの名称がずらずら〜っと並んでいるので余計にかもしれません。

 

さて本題ですが、「相続関係説明図」と「法定相続情報一覧図」はそれぞれの違いと使用目的も含めて個人的にはわかりづらいな〜と感じる制度です。どちらも相続手続きに使う書類ですが、どちらも作成しなくても手続き自体は可能です。

 

「相続関係説明図」は不動産の相続登記で、戸籍謄本等の原本を返却してもらう場合に作成する書類です。通常、戸籍謄本等のコピーを添付することで、原本を返却してもらうのが一般的ですが、戸籍謄本等の数が多く、すべてのコピーを取るのが大変な場合「相続関係説明図」を1枚作成することで、原本を返却してもらうことが可能です。
もちろん作成が面倒であれば、コピーを付ければOKです。 

 

「法定相続情報一覧図」は相続登記に限らず、預貯金、有価証券、車などの相続手続きにも使用できる書類です。「法定相続情報一覧図」は法務局で無料で作成することができ、戸籍謄本などの代わりに相続関係を1枚の書類にまとめて証明してくれるものです。作成すると「法定相続情報一覧図の写し」の発行ができ、こちらも発行手数料は無料です。
この写しを不動産や金融機関などでの相続手続きの際に提出すれば、通常その都度必要な戸籍謄本や住民票、除籍謄本などの書類は不要となります。写しは、手続きに必要な枚数を取得できますので、それぞれの手続きを並行して進めることができますし、保存期間が5年間あるため、その間はいつでも法務局で取得することができます。
ただし、作成するためには一度必要な戸籍等はすべて集めなければなりませんし、申請してから写しが交付されるまで、長いと2週間ほどかかります。手続きするものが自宅の不動産と預貯金口座が1〜2つくらいの場合、わざわざ作成するメリットはあまりないです。

 

内容を整理すると2つは明確に違うのですが、ネットで「相続関係図説明図」を検索するとトップに法務局HPの「法定相続情報一覧図」についてのページが表示されますし、「相続関係説明図」と「法定相続情報一覧図」は記載内容がほぼ同じです。
また、「相続関係説明図」を作成する際、法務局HPで用意されているひな形は「法定相続情報一覧図」のみなので、名称を「相続関係説明図」に変更して使用します。(※ただしまれに地方の法務局によっては独自のひな型を使用している場合があり、法務局HPのひな型で作成して持参しても書き直しとなることがあるので、相続登記をする不動産を管轄する法務局に確認することをお勧めします)
その辺りも情報がごちゃごちゃしてしまう一因なのかもしれません。どちらも作成してもしなくてもいいものですし。上手く使えばそれぞれとても便利な制度ではあります。

 

相続手続きなどでお困りの際は、お気軽にお問い合わせください。